お金の教育はいつから始めるのがよい?
お金の教育をはじめる目安は幼児期〜小学校低学年が理想です。
ただ、子どもによってお金に興味を持つ年齢はさまざま。
子どもがお金に興味を持ったタイミングや「お菓子やおもちゃを買って!」と言い出したタイミングが、お金の話をするいいチャンス!
お金は有限で、ほしいものがなんでも無限に手に入るわけではないということは2歳ころからでも教えられるでしょう。
お金を払ってモノを手に入れる仕組みを伝えていきましょう。
3歳児・4歳児で理解できること
10以上の数字や、足し算引き算といった計算はまだできない年齢です。
この時期に、
・10円玉が10枚で100円と交換できること
・買うものよりも高いお金を払うとお釣りがもらえる
ことを一通り説明したのですが、あまり理解できなかったみたい。
年少・年中児には少し早かったようです。
難しい数字のことはわからないけれど、「お金というものが存在する」ことは理解できます。
3歳・4歳でも理解できること
- お金とモノが買えること
- お金は使ったらなくなること
- お金はどのように得ているのか
具体的には、自販機でお茶を買ったり、スーパーなどでお菓子を買ったり、するだけでも十分に良い経験になるといえるでしょう。
実際にお金を使ってみたり、大人がお金を働いて得ていることを常日頃から聞かせたり、お金の概念を理解できるようにしてみましょう。
働くとお金がもらえることは、おうちや園でのお買い物ごっこを通じても学べますよ。
金融業界で働く銀行員の方々も、幼児が理解できるレベルのお金の教育を実践されているようです。
りそなグループ『知って得するお金のハナシ』
- お店ごっこ遊びを通じてお金の使い方を学ぶ
- お金の種類、自動販売機でジュースの買い方などを教えた
- お金の種類と役割(ものを買うために使う)について教えた
3-4歳は、複雑な数の計算はまだできないので、商品1つをコイン1枚と交換するなど、簡単なお買い物の仕方で十分。
家にあるおもちゃを並べて手作りのお金や本物のお金を使ってお買い物ごっこをして楽しんでみてくださいね。
5歳児・6歳児で理解できること
年長の年齢になってくると、お札のお金は大きいお金、100円あればお菓子が買える、1円玉では何も変えない、などお金の金額の大小も理解し始めます。
お店やさんごっこや実際の買い物の体験を通して、お金の価値を体感できる年齢に差し掛かってきたといえるでしょう。
我が家では、「このおもちゃを買うには、100円玉が何枚必要?」といった質問も娘から出てくるようになりました。
おつりで小銭をたくさんもらい「お金が増えた!」と喜んでいた娘は、『こどもちゃれんじ』の年長向け12月号で特集されていたお金のお話を読んで「おつり」の概念をやっと理解できました。
5歳、6歳くらいになると抽象的な概念を少しずつ理解し始めるので、お金の教育を始めるにはちょうど良い時期だと思いますよ。
焦らず子どものペースをみてお金の教育を始められてみてくださいね。
遅くとも小学校低学年からは始めた方がよい
遅くとも小学校低学年からは、自分のお金をどう使っていくかの練習をしておいた方が良いでしょう。
複数の桁の足し算引き算などもできるようになっていくので、お金を通じて計算力を高めていくのも良いでしょう。
小学生以上向けの、お金について学べるツールもたくさんあります。
お金の学びにつながる教材や遊びなどは次の項でご紹介していきますね。
お金の教育目標
子どもの「お金の教育の目標」をどこに置くかという問いには、
90年以上も読み継がれている名著「バビロン大富豪の教え」を子ども自ら実践できるようになること
と答えておきます。
本書に記載されているお金に関する原理原則がわかっていれば、大人になってからお金で大きな失敗をすることを避けられるでしょう。
子どもには、お金を味方につけた人生を歩んで欲しいですよね。
- 収入の10分の1を貯金せよ
- 欲望に優先順位をつけよ
- 蓄えたお金を働かせよ
- 危険や天敵からお金を堅守せよ
- より良きところに住め
- 今日から未来の生活に備えよ
- 自分こそを最大の資本とせよ
まず、幼少期から実践できるのは、①②③の欲望とお金をコントロールする力を養うこと。
本書は漫画版も出ているので、本書の内容を知らないという方は是非一読されることをおすすめします。
大人にとっても学び大き一冊です。
お金の教育におすすめの絵本・書籍
おかねのれんしゅうちょう
年長〜小学校1年生くらいのお子さん向けのワークです。
お金の種類の違いを知って、お金の計算を理解に役立つ一冊です。
Z会のグレードアップドリルも、親子で一緒にお金について学ぶのにおすすめ。
Z会のドリルは答えが書いてあるわけではなく、地球規模でお金を考えるとどう?あなたにとって必要なものは?という良質な問いがたくさん詰まっているような内容です。
ドリルを通じて親子で会話しながらお金について会話を深めていくことに主眼が置かれています。
キャッシュレスについて触れられているのも特徴。将来の種まきとして考えたい方向けの一冊です。
100円たんけん
ひらがなとカタカナのみなので、幼児から小学生まで楽しめる絵本です。
商店街で「100円で買えるもの」を子どもとお母さんが探すストーリー。
「100円」という基準となるお金を通して、多種多様なモノの価値を考えられる内容です。
あそんでまなぶ はじめてのおかねえほん
カタカナとひらがなが振ってあるので、6歳から自分で読める本です。
以下の章構成でできていて、なぜお金があるのかといった内容から始まります。
- おかねってどんなもの?
- おこづかいをもらおう!
- おこづかいをつかおう!
- いきていくにはおかねがかかる!?
- もののねだんってどうやってきまるの?
- どうすればおかねをかせげるの?
- めざせ!おかねのつかいかためいじん
子どもにどうやってお金の役割を教えようか悩んでいる大人におすすめの一冊です。
レモンをお金にかえる法
レモネードの販売を通して、子ども向けに経済学を説明する一冊です。
欧米では、レモネードスタンドのように簡単な起業を子どもたちが経験し、社会に出る前にお金の流れを勉強しているんです。
バビロン大富豪の教え
お金の教育の目標でもあげた、「バビロン大富豪の教え」は、古代バビロンの時代から伝えられているお金との付き合い方がわかりやすくまとめられた良書です。
漫画版であれば、小学校高学年で読めるレベル。
本書は、自分の子どもに必ず読ませたいと思っている一冊です。
お金との付き合い方の原理原則を知って、お金で苦労しない人生を歩んでもらいたいというのが親心ですよね。
3歳から始める欧米式お金の英才教育
子ども用というより、大人向けの一冊です。
日本はお金の教育が遅れていると言われています。
お金の教育が進んでいる欧米ではどのように教育しているのかを知り、家庭での金融教育に取り入れるための参考になるでしょう。
お金に振り回されるのではなく、お金を上手くコントロールできる力をつけることが目標とされています。
きみのお金はだれのため
本書は、自分や周りの人が使うお金がどう社会に作用するか、行き着く先がどうなるのか、ということを想像するのに役立つ一冊です。
ぜひ、中高生くらいで読んでもらいたいなと思っています。
お金の教育におすすめのゲーム
こどもお金すごろく
『こどもお金すごろく』は、対象年齢が6歳〜のすごろくゲームです。
子どものうちから身につけておきたい、お金の使い方や知識を、遊びながら楽しく学べるすごろくゲームです。
両面印刷のすごろくで、表面はお買い物ゲーム、裏面では世の中のお金の仕組みを学ぶことができます。
子ども用だと侮るなかれ。
このすごろくでは、以下のことが学べるんです。
・お金を使う(買う、寄付)
・お金をもらう(売る、おこづかい)
・お金の管理(貯める、紛失)
・お金をふやす(株・投資、資金調達)
・社会を知る(価格変動、保険、社会保障、税、キャッシュレス、お金にまつわる雑学)
大人から子どもへ説明が難しい内容も子ども用に噛み砕いてゲームにしてくれている点がうれしいですよね。
お金の教育と遊びを兼ねてこちらのすごろくは「買い」だと思います!
おにぎり屋さんカードゲーム
対象年齢は3歳〜。
『おにぎり屋さんカードゲーム』は、プレイヤーがおにぎり屋さんになりそれぞれの店舗を経営していくゲームです。
仕入れ、販売の差額を頭に入れて計算しながら、最後に手元に残ったお金が一番高い人の勝ち。
楽しみながら計算に頭を使い、店舗経営の学びにも繋がります。
小学生にも人気のカードゲームですよ。
モノポリー
対象年齢は8歳〜。
世界中でプレイされているすごろくゲームです。
人生ゲームのように、不動産を売買しながら大富豪を目指してコマを進めていく内容。
他の人が破産して最後まで残った1人が勝ち、というのが本来のルールですが、時間で区切っても遊べるのが良いところ。
思考力と交渉力を使いながら、ゲームを通して「投資」についても学べる点がおすすめです。
どうぶつの森verといったキャラクターものやキッズ向けのものもあるので、気になる方は是非探してみてくださいね。
リアルな経営の要素と、サイコロを降って出た目で運が決まるという要素が組み合わさって、大人も子どもも一緒に楽しく遊べるのがいいですよね。
我が家も、国際感覚を養うための一般教養としてモノポリーを購入予定です。
人生ゲーム
『人生ゲーム』は、言わずと知れたロングセラー商品ですよね。
プレイヤーが億万長者を目指しながら人生をすごろくでシミュレーションできるゲームです。
職業を選ぶ、結婚する、物件を購入する、といった人生の転機をルーレットの目で決めるわけですが、中にはとんでもない落とし穴も。笑
子どもの頃に友達とケラケラ笑いながら遊んだのが良き思い出です。
経験上、銀行員の係をすると、お札を使ったお金の計算が早くなります。
桃太郎電鉄
日本一の社長を目指すゲームです。
お金や会社の投資に関する知識の他に、世界や日本各地の地名やご当地の名産品などもゲームを通して学べるんです。
夫は『桃鉄』で地理に詳しくなったみたいです。
学校向けに無料配信サービスも提供されるほど、学習効果が期待できるということですね!
無料でお金について学べるおすすめサイト
大人も子どもと一緒にお金について学べる有益なサイトへのリンク集です。
小学生向けには、お金について漫画やアニメ・ゲームわかりやすく学べるコンテンツが揃っていますよ。
資産運用など少し難しい話を理解したい場合は、中学生・高校生向けの金融庁のリンク集を活用してみてくださいね。
税金を使ったまちづくりが学べる国税庁のサイトなどもありますよ。
家庭でできるお金の教育
実践してこそ身に付きます。自分の頭で考えてアウトプットする習慣を身につけましょう。
時に失敗することもあると思いますが、子どもの間のお金の失敗は取り返しがつくことも多いです。
小さな失敗を経験に変えていってみてくださいね。
お店やさんごっこ
実際に本番としてお金を使う前にお店やさんごっこで慣れておくと親も子どもも安心ですよね。
たかがごっこ遊びと思われるかもしれませんが、年齢によって難易度を上げていけば、十分お金の勉強に繋がりますよ。
STEP1 お店やさんごっこ
レストランごっこ、買い物屋さんごっこ、本やさんごっこ、などどんなごっこ遊びでもOK。
親が買ったお菓子を小分けで販売する駄菓子屋さんごっこなども楽しいですよ。
〜4歳くらいまでは、コイン1枚と交換するなどで十分だと思っています。
5歳〜はリアルなお金を使って、お金の種類と計算方法を覚えましょう。
おもちゃのコインやお札だと、気軽に使えますよ。
STEP 2 銀行ごっこ(投資の勉強)
小学生くらいになると、親銀行にお金を預けておくと、1年で10%の運用益が発生するといった仕組みの銀行ごっこもできますね。
いくらを自分で使って、いくらを貯金口座に預けて、いくらを親に預けておくか自分で考える練習になります。
親に預けた分は、実際の相場と連動して増えもするが減ることもある、としもさらに臨場感が湧きますね。
本格的に投資する前の練習に良いでしょう。
予算内でお金の使い方を任せる
予算内でお金を使う経験を積み重ねる経験も大切です。
年齢が上がるごとに徐々に金額と責任の範囲を大きくしていくことで、お金の使い方を総合的に体得していくことができます。
親がフォローしながら、実際にお金を使う体験を繰り返しましょう。
お金の価値を実感するため、現金で支払う方法がおすすめです。
STEP1 少額の買い物を体験する
難しい計算の幼児期の子どもでも、親のフォローがあれば買い物を体験できます。
- お金を店員さんに渡してお釣りとレシートをもらう
- 自販機にお金を入れて必要なものを購入する
上記のような、ほしい物やサービスはお金と交換できることを理解するためのスモールステップからはじめ、徐々に難易度を上げていきましょう。
最初は親による金額の確認が必要ですが、計算ができるようになれば自分のお財布から必要な金額を出して支払えるようになっていきますよ。
お小遣いの範囲内で、予算内で自分で欲しいものを選んで1人で購入できるようになるのが目標です。
我が家は、子どもが食べるおやつは子ども子ども自身で買うスタイルにしています。
STEP2 千円単位でお金の使い道を考える
小学生になると、もう少し複雑で具体的なミッションをこなせるようになります。
予算の上限を上げて、家族の買い物を任せてみましょう。
- お土産や家族の誕生日プレゼントを予算内で一緒に考える
- 1,000円、3,000円といった予算を渡し、予算内での晩御飯の買い物を任せる
- 月々の習いごとの予算を決めて、自分で習いごとを管理する
生協の食材キットの注文を、「上限3,000円分で選んでみて」といったことを子どもに任せていました。
STEP3 お出かけの企画を任せる
休日のお出かけの企画を子どもに任せてしまう方法です。
お金の使い方の他、時間の使い方・道順・公共交通機関の時間なども含め、総合的に考えて選択する力が身に付くといえます。
- 予算の上限を決め、家族の休日の外出計画を任せる
- 予算と日程を決めた上で、旅行の計画を任せる
計画力が子どもの身につくと同時に、大人の考える労力も軽減できるので、一石二鳥です。
SPEP4 年単位で予算を渡す
年齢がある程度大きくなってきたら、年間の予算を自分で管理できるようにする方法も有効です。
より長期的な目線でお金をコントロールする練習になりますよ。
- 一年分の衣服費を渡し、自分で洋服の購入を管理する
- 数年分のお小遣いをまとめて渡し、その範囲内でやりくりする
年間で予算どりしておくと、家計からの臨時の支出を減らすことができますよ。
子どもの自律心も高められる方法ですよね。
お小遣い制を取り入れる
お小遣いも予算の範囲内でお金を使う練習になりますよね。
お小遣いをあげる年齢は小学生が一般的かと思いますが、幼児期から渡してもよいと思っています。
子どもの成長に応じて、扱う金額を徐々に増やしていくとよいでしょう。
お小遣いは、子どもの責任で管理できるよう
・大人はお金の使い方に口出ししない
・追加でお小遣いを渡さない
・使い切ってお金がなくなってしまうのも良い経験と考える
といったことを意識してみて下さいね。
お小遣いを渡し方
お小遣いを渡すタイミングは、大きく以下の4つにわかれます。
①お年玉をお小遣いにする
②月々定額の金額をお小遣いとして渡す
③お祭りなど特定のイベントがある時のみお小遣いを渡す
④仕事を手伝った対価としてお小遣いを渡す
ご家庭の方針に合わせて、お小遣いの渡し方を一つに絞ったり、複数の渡し方を組み合わせたりされることでしょう。
ただし、④の仕事の対価としてお小遣いを渡す方法は注意してくださいね。
教師時代に、運動会で「紅組だから紅組を応援しよう」と声をかけると、「応援したら何くれるの?」と言った小学4年生の子がいたという。その子どもは、先生にも友だちにも、だれに対しても「これしたら何くれる?」。その子の家では、何にでもお金で報酬を与えていたらしい。
親野智可等「親力講座」HP https://kodomo-manabi-labo.net/okane-kyoiku
「お金をもらえないなら何も手伝わない」とならないように、対価を渡すとしても一部の仕事に限定する・1月単位で渡すなど工夫が必要でしょう。
ちなみに我が家は、ちきりんさんのブログに影響され、①の「お年玉をお小遣いにする」方針としています。
お年玉を渡し始めた初年は半年で全てのお金を使い切ってしまったのですが、2年目は封筒に1ヶ月分ごと入れて分割して使うようになりました。
大金をどう使うのかといった難題が、子どもの学びにつながっています。
欲しいものをリスト化する
お小遣いを何に使うのか、ほしい物のリストを作って優先順位を決めてみるのも良いでしょう。
いくらあれば欲しいものが買えるのか、本当に必要なものなのか、といったことを考える練習になります。
貯金箱を渡す
お小遣いを渡すなら、セットで貯金箱も渡しておくと良いでしょう。
「高額なものを買うために貯金する」と欲しいものが手に入るようお金をコントロールする力を養えます。
また毎月一定の額を貯金する習慣は、大人になっても役立つでしょう。
お小遣い帳をつける
手元にあるお金・使ったお金を管理するためにお小遣い帳をつけてみましょう。
いつ何にいくら使ったのかが可視化され、残金も把握できます。
「お菓子」「飲み物」「おもちゃ」といった用途別や「消費」「浪費」「投資」といった分類をしてみると、お金の使い方に対する考えが深まることでしょう。
子ども用の口座を作る
お小遣いを渡すのであれば、子どものお金を管理する子ども用口座も合わせてつくっておきましょう。
子どもと一緒に銀行に出かけて一緒に口座を作るとよい社会体験になりますよ。
口座への入出金の時にATMの使い方を子どもに教えたり、銀行口座を大人がどのように使っているのかを教えることができます。
ある程度まとまったお金が使える年齢になれば、必要に応じて口座のお金を引き出して使える仕組みにしても良いでしょう。
口座をつくる際には、印鑑をつくっておきましょう。
資産運用する
お小遣いの一部を投資し、資産運用してみるのもよいでしょう。
親がいくつかの投資先を提示し、子どもがその中から選ぶスタイルであれば簡単に始められます。
実際に自分のお金を使えば、市場がどのように動いていくのか、自分のお金がどのように変わるのか、が気になり出します。
資産運用については、少額で良いので実際に体験しながら学ぶことをおすすめしておきます。
寄付する
少額でもよいので、日頃から誰かに寄付する思想を子どもと共有したいなと思っています。
社会に貢献する気持ちも育まれることでしょう。
親の寄付に対する考え方も合わせて伝えていければいいですね。
お金の話を積極的に家庭でする
「家庭でお金の話をする」のは、お金をかけずに誰でもできる金融教育です。
とはいってもどんな話をすればいいの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
こちらでは、会話のヒントをご紹介しておきますね。
お金の話を積極的にする
日常生活していく上で、ありとあらゆる場面で「お金」を使いますよね。
子どもたちが将来独り立ちしていく時に必要な「お金」に関する話題はタブーにせず、積極的に家族のなかで話しましょう。
「お金の役割」も合わせて伝えていければいいですね。
仕事の話をする
周りの大人たちがお金をどうやって手に入れているのかを教えてみましょう。
実際にまちで働いている人を間近でみてみたり、働く大人と話してみたり、保護者の職場見学に参加してみたり、という機会を積極的につくってみることをおすすめします。
どんな仕事が誰の役に立っているかを具体的に話せるといいですね。
ただし、注意が必要だ。定額制ではなく、テストで100点取ったら100円とか、お手伝いをしたら100円という具合に、お小遣いを報酬制にすることに対して親野さんは警鐘を鳴らしている。
教師時代に、運動会で「紅組だから紅組を応援しよう」と声をかけると、「応援したら何くれるの?」と言った小学4年生の子がいたという。その子どもは、先生にも友だちにも、だれに対しても「これしたら何くれる?」。その子の家では、何にでもお金で報酬を与えていたらしい。
親野智可等「親力講座」HP https://kodomo-manabi-labo.net/okane-kyoiku
大人になった時に仕事をしてお金を稼ぐイメージがつきやすくなりますよ。
幼児期に娘に仕事の話をしたところ、「お金がほしいから、わたしも早く働きたい!」というようになりました。
「働くためには、まず勉強して漢字と計算を覚えないとね」と学ぶモチベーションにもつながっているようです。
お金にまつわるクイズで遊ぶ
日頃から家族でクイズを出し合い、楽しみながらお金について学べる方法です。
計算したり頭を使うので小学生以降におすすめです。
総額いくらでしょうクイズ
スーパーでお買い物した時や、家族で外食を食べた時などに、家族で総額がいくらかを当てるゲームです。
コスト感を養うという意味でも、計算力を高めるという意味でも役立ちますよ。
ぐるナイのごちバトルに近いイメージです。
なぜ値段が違うのでしょうクイズ
同じジャンルの商品でも、メーカーや素材が違うと値段が違うのは何でだろう?を考えるクイズです。
作っている国が違うから?量が違うから?作り方が違うから?大量生産だから?おまけが付いているから?といったように
買い物のついでに思考力とビジネス感覚を鍛えられますよ。
大人もビジネス脳を鍛えられ、頭の体操になります。笑
消費・浪費・投資クイズ
「消費」「浪費」「投資」って何だろうということを考えるクイズです。
子どもが自分のお小遣いで買い物をするとき、親が買い物をするときに、家計簿やお小遣い帳をつける時に、これは「消費・浪費・投資」のどれに当たるのかを考えてみましょう。
同じものでも人によっては「浪費」になったり、「投資」になったりするのはなぜかな?と深掘りして考えてみるとよりいいでしょう。
買い物をする時に、自分が何にお金を使っているのかを考える習慣になりますよ。
大人にとっても頭の痛い話ですよね。
クイズを出して一緒に遊べば、家計の浪費を抑えられ節約できるかも。
家計簿を見せる・家計会議に参加する
家族の家計簿を見せて、何にいくら使っているか一緒に話してみましょう。
家計簿全体だと何万・何十万円という大きな単位のお金の話になり理解が難しい場合は、
習いごとに月々いくらのお金がかかっているかなど、ポイントをしぼって話し合うのも良いでしょう。
生きていくためにはどの程度のお金を稼がないといけないか、ということをわかっておいて損はないですよね。
大金が必要なときにはプレゼンで親を説得する
子どものお小遣いでは到底足りず、まとまったお金が必要な場合は、子どもにプレゼンで親を説得する流れを作ってみるとよいでしょう。
モノやサービス、習いごと、進学、といったことが考えられます。
なぜそれが必要なのか、いくら必要なのか、親がお金をかけて投資したメリットとしてはどのようなことが考えられるか、といったことをまとめて家族会議にかける仕組みです。
親側も、支払いの条件(上限・支払い方法・成果物)を提示して、交渉するようにしましょう。
会社で社内決裁を取るシステムと一緒ですよね。
お金に関するトラブル事例を共有する
お金に関するトラブルを未然に防ぐためにも、こんなことに気をつけようねと常日頃から情報共有しておくことも大切です。
- アプリのゲーム課金での高額請求
- 友達間のおごるおごられる、お金の貸し借り
- インターネットの無料広告クリックによる詐欺被害
- マルチ商法・架空請求など
- 高額利息の借金
令和2年度 小学生・中学生・高校生の消費生活相談概要では、デジタルコンテンツ・健康食品・化粧品に関するトラブルが多いとのデータがあります。
親の目の行き届かないインターネット上の金銭トラブルには注意したいですね。
税金の話をする
大人も難しいと感じてしまう税金の話。
税金は私たちとの生活と切っても切れないので、正しく理解しておくことが大切です。
子ども向けにも分かりやすく説明してくれている動画を見つけましたのでこちらでご紹介しておきますね。
モノやサービスを売ってみる
どのようにお金を手に入れるのか、というお金の流れを知るには実際にモノやサービスを売ってみるのが一番。
欧米では、レモネードを子どもたち自身で販売してお金を得る方法が一般的です。
投資の世界で有名なウォーレン・バフェットは、子どもの頃にスマートボールの装置を自費で購入し、ある店舗に置かせてもらい、スマートボールを使用した人からお金を回収していたのだそう。
以下のような方法であれば、誰でも簡単に体験できます。
- 使わないものをフリマで売る
- 自分の作ったモノやサービスを値段をつけて売る
- ちょっとした仕事を手伝ってお小遣いを稼ぐ
- 「キッザニア」でキッゾという通貨を通した職業体験をしてみる
プログラミングの延長で、デジタルコンテンツを制作し、販売するお子さんもいらっしゃるようです。
金融教育のセミナーに参加する
家庭の教育だけでは心もとない、という方は金融のプロが運営するセミナーに参加してみましょう。
遊びの要素を取り入れながら、子どもにも分かりやすく説明してもらえるのがよいところです。
キッズマネースクール
全国各地で親子体験型のマネーセミナーを開催している団体です。
人数は限定されますが、基本無料で参加できるのがありがたいところ。
対象年齢は幼児〜中学生です。
キッズ・マネー・ステーション
全国の団体と共同してイベントを開催している団体です。
小中学校や高校でも出張授業をされています。
りそなキッズマネーアカデミー
小学生向けの教育セミナーで、毎年夏休みに全国のりそな銀行系列行で開催されています。
金融に関するクイズやゲームの他、銀行の仕事についても知ることができるイベントです。
まとめ
本記事では、私の知りうる限りの情報を一つに集約してみました。
子どもへのお金の教育ってどうすればいいの?とお悩みの方のお力になっていればうれしいです。
たくさん書きましたが、実際にお金を子どもが使う体験が何よりも重要だと感じています。
小さな失敗ができるうちにトライアンドエラーを繰り返しておきましょう。